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倉庫を買うべきか借りるべきか メリットデメリットを解説

その他 2022/05/25

物流の配送拠点を設けたい、あるいは自社製品の保管場所が必要などで倉庫が必要になった時、これを買うか、賃貸して借りるかで悩むことになります。

居住用の不動産もそうですが、倉庫も不動産ですので買うのと借りるのとでは色々な面で違いが出てきます。

購入、賃貸双方にメリット、デメリットがあるので、これらを踏まえた上で自社に有利なのはどちらか考えることになるでしょう。

本章では事業用に用いられる倉庫について、購入、賃貸それぞれのメリット、デメリットを比較しながら、どちらが良いか考えてみましょう。

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倉庫を購入するメリット

まずは倉庫を購入する場合のメリットを見てみます。

①自由な使い方ができる

自社所有となる倉庫を購入すれば、使い道や使い方にほぼ制限が出ません。

賃貸物件の場合、オーナーの意向で利用用途や設備の導入などに制限が出ることがあります。

導入にあたって何かしらの工事が必要になる機材を導入したい場合、賃貸物件では工事が不許可となり必要な設備を導入できないという事も考えられます。

自社物件であればこのようなことはなく、必要な機材や設備を自由に導入できます。

②資産としての価値を保有できる

倉庫も不動産ですから資産としての価値を有します。

企業運営にあたり倉庫を他社に貸し出して賃料を得るという使い方もできますし、売却してまとまった資金源とすることもできます。

③担保に用いることができる

自社所有の倉庫は不動産担保としての価値もありますから、融資を受ける際などに担保物として利用することができます。

倉庫を購入するデメリット

次に、倉庫を購入する場合のデメリットを確認します。

①初期費用が大きい

購入するとなればかなりまとまった資金が必要になりますから、初期投資として費用面のダメージは覚悟が必要です。

融資を受けることもできますが当然返済が必要になりますし、購入する倉庫は第一抵当として金融機関に担保提供が必要になるでしょう。

②状況の変化に対応しにくい

一度購入してしまうと、将来倉庫が必要無くなった場合に融通が利きにくくなります。

貸し出して賃料を得ることも可能ですが、必ず借り手が付くとは限りません。

売却するにしても倉庫物件の流通は限られるので、買い手が付くのに時間がかかったり、最悪買い手が付かないこともあり得ます。

③保有するための維持費がかかる

自社所有の物件とする場合は所有者として固定資産税などの税金を負担しなければなりませんし、維持管理にかかる費用も負担しなければなりません。

メンテナンス費用なども考慮して、自社の経営に支障が出ないかどうか十分な検討が必要です。

倉庫を賃貸するメリット

では次に倉庫を賃貸で借りるとした場合のメリットを見てみます。

①初期費用が抑えられる

ケースにもよりますが、購入する場合と比べると初期投資はかなり抑えられます。

地域によって敷金や礼金がかかり、不動産業者への仲介手数料なども必要ですが、物件そのものに対して購入費用が発生しないので、負担は限定されます。

②状況に応じた対応が可能

予定していた事業の継続が難しくなった、扱う商品が変わったなどで倉庫が必要無くなった場合も、賃貸ならば比較的容易に契約解除ができるので、事業からの撤退も速やかに行え、かつ低ダメージで済みます

ただし契約内容によっては数か月前からの契約解除通知が必要となり、すぐに解除できないこともあるので注意が必要です。

③維持費が浮く

契約内容にもよりますが、倉庫の根本的な維持管理にかかる費用は借り主が負担しなくて良いことが多いので、不動産としての価値を維持するための大きな維持管理費や固定資産税などの税金の負担を免れることができます。

倉庫を賃貸するデメリット

では賃貸する場合のデメリットはどうでしょうか。

①自由な利用が制限される

自社の物でない以上、使用用途や使い方は貸し主の意向である程度制限されることが多いです。

導入を考えている設備や資材の搬入、設置などに工事が必要な場合は制限に抵触しないか確認が必要です。

事前に分かっていれば契約前に確認できますが、契約後に事情が変わり新たな設備が必要になったような場合は事後調整が難しくなることもあります。

②原状回復が必要

借り物件の場合、退去時には基本的に原状回復義務が課されるので、その費用負担が発生します。

何らかの工事を行った場合は原状回復に必要な費用負担が重くなることがあるので、退去時の原状回復費用を確保しておく必要があります。

③更新時の不安がある

借り物件の場合はすべて契約内容に依存しますから、内容面の精査は必ず必要です。

加えて、その契約を更新する際のリスクについても承知しておく必要があります。

契約の更新時に値上げされる可能性や、更新自体ができなくなるといったことも考えられます。

予定した更新ができなくなれば自社の経営に大打撃となりますから、契約の更新についてもよく考えて内容を取り決めることが大切です。

 

実際の契約は土地が絡むことに留意

ところで、倉庫を購入するにせよ借りるにせよ、土台となる土地をどうするかという問題も考える必要があります。

土地と倉庫の組み合わせ別にどのような所有もしくは賃貸となるのか想定してみましょう。

①土地を借り受けて自社倉庫を購入する

倉庫を購入する場合は基本的に自由に利用できますが、土地が借り地の場合、土地に改良を加えたり、土地に影響が及ぶ大掛かりな工事は許可されない可能性があります。

工事が認められても、退去時には土地を元に戻す原状回復義務が生じるので、法的、費用的なリスクがあることに留意が必要となります。

また土地の利用ができなくなれば倉庫の利用もできなくなるので、土地に関して十分な契約期間が確保できるか、契約更新時に支障がでないか別途精査が求められます。

②土地と倉庫両方を借りる

この場合、土地と倉庫の所有者が同じ場合でも、両方の契約が連動する内容にしておかないと、どちらか一方の契約が途切れることで他方の契約も意味がなくなってしまいます。

できれば一つの契約書でまとめられるようにした方が契約上のリスク管理の面で望ましいと思われます。

③土地と倉庫両方を購入する

自社所有の土地があれば購入するのは倉庫だけで済みますが、そうでない場合は土地と倉庫両方を購入することになるので相当の費用負担が生じます。

最も初期費用が低く、事業撤退時などの機動性に優れるのは上記②ですが、同時に最も自由利用が制限されることになります。

パターン別のリスクや特性を考え、土地とセットでどのような形態をとるのが望ましいか検討しましょう。

購入か賃貸かの判断基準

倉庫の利用を考える際に購入か賃貸どちらが良いかの判断基準として、大きなポイントはどれだけの期間必要となるのかをできるだけ正確に把握することです。

例えば物流であれば、扱う商品は時代に影響されず長く将来にわたって求められるものかどうか考えてみましょう。

流行り廃りの影響をうけやすい商品であれば、数年で需要が下がり倉庫が必要とされなくなるかもしれません。

その場合は自社所有よりも賃貸の方が撤退しやすく、リスクを軽減できます。

もし購入して自社所有とするのであれば、その資産性についても考慮したいところです。

途中で倉庫を必要としなくなった場合に、売却するとしたら買い手が付くような物件となるか、立地なども含めて考慮したいところです。

同じく賃貸に出して賃借人を募ることになった場合でも採算が取れそうか、そこら辺まで考えて購入の検討をすると将来リスクの軽減につながります。

まとめ

本章ではビジネスで利用する倉庫について、購入する場合と賃貸する場合のメリット、デメリットを見ながら、判断の元となる基準についても簡単に見てきました。

長く将来にわたって倉庫が必要となるならば購入もありですが、初期費用としてまとまった額が必要になります。

購入の場合は将来の処遇(売却や賃貸に出す際のこと)も考慮して物件選定が必要です。

賃貸であれば撤退が容易ですから、将来性が不透明な場合や期間が最初から限定されるのであれば賃貸で借りる方がリスクは小さくなります。

借り物件は利用が制限されることと、契約更新時のリスクについて詳細な検討が求められます。

自社の場合はどちらが適当か、よく吟味して検討してください。

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