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実家の土地、誰かもらってくれない?賢い土地の譲渡方法

その他 2022/06/03

実家の土地を相続しても、将来的に誰も住む予定がないならどうしたら良いか困ってしまいます。

結論から言うと、贈与する親族がいないのであれば早めに譲渡しましょう。

譲渡する時期が早ければ、税金の負担を軽くできる可能性もあります。

当ページでは実家の土地を売却することによって発生する税金や節税方法、売却する手順についてをまとめました。

最後まで読み進めて頂ければ、実家の土地を譲渡する際に損しない方法が見つかるはずです。

 

実家の土地は早めに譲渡するべき理由

相続した実家に自分が住む予定がないなら、早めに誰かに譲渡することをおすすめします。

なぜなら実家を所有しているだけで固定資産税がかかりますし、空き家のまま放置していると老朽化により倒壊や破損の危険が伴うからです。

固定資産税は毎年1月1日時点に所有していると納税義務が生じますし、周囲に迷惑がかかるほど老朽化が進めば特定空家等に認定され固定資産税が6倍になるリスクもあります。

倒壊や破損などで近隣住民に迷惑がかかれば、賠償責任を問われることもあるでしょう。

せっかく不動産を相続しても、活用しないのであれば逆に財産を失うことになりかねません。

自分の子供が実家に住んでくれるというならば贈与するのも良いですが、誰も実家の土地を欲しいという親族がいないなら思い切って売却しましょう。

 

実家を売却する際に発生する税金と節税方法

実家を売却すればまとまったお金が手に入りますが、一方で様々な税金を支払わなければなりません。
ただし実家の売却でかかる税金を節税する方法があるので、損しないためにきちんと把握しておきましょう。

譲渡所得にかかる税金

実家を売却して譲渡所得が発生すると、所得税や住民税、復興特別所得税といった税金を支払う必要があります。

ただし、譲渡所得は[土地建物の売却代金-(取得費+譲渡費用)]で計算されるため、取得費と譲渡費用の合計金額が実家の売却代金を上回れば、譲渡所得がマイナスとなり所得税などは発生しません。

取得費とは、実家の土地建物を購入した際にかかった購入代金や諸費用などの合計金額から減価償却費相当額を差し引いた金額のことです。

実家の土地が先祖代々受け継がれていたり、購入時期がかなり昔だったりして取得費がわからない場合には、売った金額の5%を取得費とすることができます。

譲渡費用は、仲介手数料や建物の解体費用など、土地や建物を売るために直接かかった費用のことを指します。

もし取得費や譲渡費用を差し引いて実家の売却代金がプラスになると、所得税と住民税は土地の所有期間によって定められた税率で計算されます。

 短期譲渡所得(土地の所有期間が5年以下)→所得税30%、住民税9%
 長期譲渡所得(土地の所有期間が5年超)→ 所得税15%、住民税5%

復興特別所得税は土地の所有期間に関わらず所得税×2.1%で課税されます。

なお、土地の所有期間は、親が所有していた期間も含まれるので注意しましょう。

ただし、これから紹介する2つの特例を活用すれば譲渡所得にかかる税金を節税できる可能性があるので該当するかどうか確認しておきましょう。

相続空き家3,000万円特別控除

空き家となった実家を相続し譲渡する際に、以下の要件に該当していれば譲渡所得の金額から3,000万円を特別控除できます。

 相続人が空き家を耐震リフォームまたは取り壊しをした後に譲渡すること
 譲渡対価の額の合計額が1億円以下(共有で譲渡する場合には合計額が1億円以下)であること。
 相続開始の直前において被相続人が一人で居住していたこと
 昭和56年5月31日以前に建築された区分所有建築物以外の建物であること
 相続時から売却時まで、事業、貸付、居住の用に供されていないこと
 相続により土地及び家屋を取得すること

相続空き家3,000万円特別控除を受けるためには、家屋所在地の市区町村にて「被相続人居住用家屋等確認書」の交付申請をして、お住まいの管轄税務署にて確定申告をする必要があります。

取得費の特例

実家を相続してから3年10ヶ月以内に譲渡すれば支払った相続税の一部を取得費に加算できる特例が受けられます。

取得費が増えることで、譲渡所得を減らすことができるため節税につながるのです。

取得費の特例を受けるためには、確定申告書(分離課税用)第3表の特例適用条文欄に「措法39条」と記載し、以下の書類を添付する必要があります。

 相続税申告書の写し
 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
 譲渡所得の内訳書、株式等に係る譲渡所得の等の金額の計算明細書

登録免許税

実家を売却する際に名義変更をするにあたって登録免許税を納める必要があります。

売買による名義変更では、不動産の評価額×2%で登録免許税が決まるのです。

ただし、令和3年3月31日までは土地の売買による所有権移転の登記は軽減措置の対象となり評価額×1.5%の税率で算出されます。

印紙税

不動産の売買契約書を作成する際に必要となるのが印紙税です。

売買契約書に収入印紙を貼り付けて納税します。

不動産仲介業者が印紙を買って用意していることが多いため、印紙代を事前に渡す必要があるのか確認しておくと良いでしょう。

印紙税の金額は、契約金額によって異なります。

印紙税の金額は、契約金額によって異なります。

契約金額 印紙税
10万円超50万円以下 400
50万円超100万円以下 1,000
100万円超500万円以下 2,000
500万円超1,000万円以下 10,000
1,000万円超5,000万円以下 20,000
5,000万円超1億円以下 60,000
1億円超5億円以下 100,000
5億円超10億円以下 200,000

 

実家を売却する手順

実家を譲渡する際には様々な手続きが必要なので、すぐに買主が見つかったとしても売却までに約6ヵ月かかることを理解しておきましょう。

遺品整理をする

実家を売却すると決めたらまずは遺品整理をしましょう。

きちんと整理すれば思い出として残せるものも見つかるでしょうし、家電や家具などで状態が良いものがあればリサイクルショップで売れる可能性もあります。

また、遺品整理で実家の土地を購入したときの資料が見つかれば、そのまま取得費として換算できますよ。

もしも実家の整理をする時間がないなら、専門業者に依頼するのも一つの方法です。

査定依頼をする

実家を売却する際には複数の不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。

自分が遠方に住んでいる場合でも、実家近くの不動産会社へ依頼すると良いです。

なぜなら実家の土地相場を把握していたり、土地を探している買主の情報を仕入れやすいのは地元の不動産会社ならではの強みだからです。

信頼関係を築くことができ、査定額が高い業者を選びましょう。

契約締結する

実家を売却する不動産会社が決まったら、契約を締結します。

契約締結後に不動産会社は様々なネットワークを使い、積極的に買主を探してくれます。

買主が見つかれば、売主は不動産に付帯する設備や状況などを書面などに記入する必要があるので、後からトラブルにならないようきちんと確認のうえ報告しましょう。

 

賢い土地の譲渡方法についてのまとめ

実家を売却するにあたって、所得税や住民税、復興特別税が発生する場合がありますが、相続空き家特別控除や取得費の特例で節税が可能となるかもしれません。

なかでも取得費の特例は、実家を相続してから3年10か月以内に譲渡することが条件となるので、対象期間を過ぎないように注意しましょう。

実家を譲渡する際には約6ヵ月ほどの期間がかかるため、売却することが決まったらなるべく早く手続きをするようにしてください。

数多くの不動産会社があるため、せっかく親が遺してくれた実家の土地を少しでも高く買い取ってくれて信頼できる業者を見つけてくださいね。

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