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その他 2022/05/30
所有しているだけでコストがかさむ「空き家」。
その処分に困っている人は少なくないでしょう。
しかし、長く使用していない空き家を取り扱う不動産会社は多くはありません。
それでも不動産会社を利用して空き家を処分することには、いくつかのメリットがあります。
今回は、空き家を処分する際に不動産会社を使うメリットとデメリットをご紹介します。
まずは、空き家の処分に不動産会社を利用できるのかを説明します。
開発から関わることで分譲販売する新築物件とは異なり、中古住宅はどの不動産会社でも扱うことができます。
これは個人から個人へ、物件を仲介するための仲介手数料を得る形でビジネスが成り立っているからです。
中古住宅の売買仲介を行うためには、売却を考えている所有者は不動産会社と媒介契約を結びます。
この媒介契約は、専属専任媒介契約と専任媒介契約、そして一般媒介契約の3種類があります。
専属専任媒介契約は1つの不動産会社のみに仲介を依頼する形で、必ず買主との売買契約は不動産会社を通して行わなければなりません。
専任媒介契約も同じく1社の不動産会社と契約しますが、買主を自分で見つけた場合には自分で売買契約を結ぶことができます。
一般媒介契約は複数の不動産会社に売買の仲介を依頼できるものです。
いずれの場合にも、不動産会社が仲介して中古住宅の売買契約を結んだ場合、その仲介手数料を売買金額の3%プラス6万円と決まっています。
これは上限金額ですが、一般的に仲介手数料といえばこの金額になっています。
そして空き家の場合ももちろん、一般の中古住宅と同じように不動産会社に売買の仲介を依頼することができます。
ただし不動産会社はどんな中古住宅も扱えるというわけではありません。
営業活動を行い広告を出すなどコストをかけても、売買に至らなければ仲介手数料は手に入らないからです。
つまり経費としての出費だけがかさみ、利益を出せない物件もあるということです。
その点、空き家は一般の中古住宅とは異なりすぐに買い手が見つかるわけではありません。
そのため、空き家を扱う不動産会社は少ないかもしれません。
不動産会社が中古住宅を扱う場合、まずは広告を出して反響を待つ「反響営業」を行います。この時点で公告費用がコストとしてかかります。
次に自社で抱えている顧客、つまり物件を探している顧客に対して紹介する営業活動を行います。そのためには人件費というコストがかかります。
空き家の場合、このようなコストをかけても買い手がなかなか見つからないという課題があるというわけです。
しかし、すでに空き家物件の購入を検討している人がいるならば話は別です。
営業活動も公告活動も行うことなく成約につながれば、コストをかけずリスクも取ることなく仲介手数料を手にすることができます。
では、どのようにして空き家の購入を検討する人を探すのでしょうか。
それは自治体が運営している「空き家バンク」を利用するという方法です。
空き家バンクの仕組みは、空き家の売却を考えている人がサイトにその物件情報を掲載して、反響を待ちます。
そしてその空き家がある地域への移住などを検討している人が興味を持って問い合わせれば、自治体が空き家の所有者とその購入を希望する人をマッチングします。
このような状態で不動産会社を利用すれば、営業活動も不要ですし成約もしやすくなります。
つまり不動産会社に空き家の処分を直接依頼するのではなく、空き家バンクを利用して購入希望者が現れたら不動産会社に依頼することで売買契約を結びやすくなるということです。
空き家を処分するために不動産会社を利用すると、どのようなメリットがあるのかを説明します。
まず個人間で空き家の売買をしたあとのトラブル発生を軽減できるメリットがあります。
空き家に限らず、不動産の売買を個人間で行うことにはリスクが伴います。
売買が成立する前に受けていた説明と実際の不動産の状況とに差異があれば、買主に金銭的な負担が生じる可能性があるからです。
しかし不動産会社が売買の仲介をすることで、そのようなトラブルの発生を回避することが可能となります。
個人間取引を前提に空き家の買い手を探すのは難しいでしょう。
しかし不動産会社を利用することを前提にすれば、購入希望者は安心して検討することができます。
また買主が銀行などから融資を受けることを前提に空き家の売買契約を結ぶ場合、融資がおりない場合も考慮した売買契約書を作成しなければなりません。不動産会社を利用していれば、融資を受けられなかった場合に備えることができます。
空き家はどの程度の担保価値があるのか判断が難しい場合があります。場合によっては、家屋の担保価値がゼロとなるケースもあるでしょう。
融資を受けられずに売買契約を履行できない場合には、売買契約書にローン特約を入れることが必要です。融資が受けられない場合には買主は契約を解除できるという内容になります。
このようなローン特約をつけた売買契約書を作成できるのも、不動産会社を利用して空き家を購入するメリットです。買主にとってのメリットとなることを前提に売り出すことで、売却しやすくなります。
空き家の処分には不動産会社の利用は不可欠です。しかしそこには、デメリットもあることを知っておく必要があります。
不動産会社の営業活動におけるコストについて説明しましたが、成約しにくい空き家の売却を依頼するのは難しいのがデメリットと言えます。
不動産会社は効率良く売却できる中古住宅を優先して買い手を探します。そのため、たとえ空き家の売却を依頼できたとしても、それほど積極的には買い手探しをしないかもしれません。
もちろん媒介契約期間である3カ月を経過しても買い手が見つからない場合、不動産会社は特にペナルティを支払うわけではありません。媒介契約が終了するだけの話です。
中古住宅の売買においては、売買契約書と重要事項説明書を作成し、売主と買主の双方で保管します。空き家の場合にはこの作成が難しいという課題があります。
というのも、空き家は一般の中古住宅よりも傷みが激しいことが多く、後あとトラブルが発生しないように不具合などをすべて記載する必要があるからです。そのチェックには手間がかかりますし、不動産会社の負担もそれだけ増します。
もちろんそのようなトラブルが発生しないために、空き家は個人間での売買はせずに不動産会社を利用することになります。
しかし空き家に関するノウハウがあまりない不動産会社に依頼すると、あとでトラブルが発生する可能性があるので注意が必要です。
空き家の処分に困っていれば、場合によってはタダ同然で引き取る人を探したいと思うかもしれません。
しかし、たとえ格安価格であっても個人間取引で買い手を探すのは難しいものです。あとでトラブルが発生するリスクを抱えることを買い手が警戒するからです。
そこで不動産会社を利用することで、買い手の不安を払拭し空き家を処分しやすくなります。
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