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その他 2022/05/31
空き家となっている物件のなかには、無料で貸し出したり譲渡したりするケースがあります。
もちろん、タダで提供するということは、それなりの理由があります。
そこで空き家を無料で使う場合には、どのようなことに気を付けるべきなのかを詳しく説明します。
まずは空き家といえども、不動産を無料で提供するのはなぜかを説明します。
全国的に空き家の数が増加していることが問題視されています。つまり保有者自身も使いませんが賃貸物件としても借り手がないため、空き家のまま放置されている物件が増えていると考えられます。
あるいは売却しようにも買い手がつかない点も課題と言えるでしょう。
このように居住する人がいない空き家はしっかりと管理することができず、湿気がこもるなどの理由で傷みが早くなります。そして傷んだ家屋は倒壊の危険性などにより、「特定空家」に指定される可能性が高まります。
特定空家に指定されると自治体から指導が入り、住宅地としての固定資産税の軽減措置も解除されることになります。つまり、税金の負担が増えるということです。
このような事態を回避するため、空き家は早急に売却するか、あるいは賃貸人を募集して住んでもらう必要が生じます。しかし売却するにしても賃貸に出すにしても、なかなか需要はありません。そこで、無料で譲渡するか賃貸に出すというケースが出てくるのです。
とにかく人が住むというだけで、老朽化を遅らせることが可能だからです。
空き家とはいえ無料で不動産を手に入れることは魅力あるように思えます。しかし、空き家だからこそ注意しなければならない点がいくつかあります。
空き家でもっとも注意すべきことは、「どの程度の手入れがなされているか」です。
売却物件であれば、ある程度の修繕がされている可能性はあります。少しでも高い金額で売りたいからです。しかし、無料で提供する空き家の場合には、そのような配慮は不要です。
つまり、住める状態になっているのかどうかもわからないということです。
賃貸物件であれば基本的に住める状態にはなっているでしょう。しかし、「快適に」住めるかどうかはわかりません。水回りやガス器具などの設備が不十分ということもあります。
ましてやDIYが可能な賃貸空き家であれば、借主が修繕をしなければならないでしょう。
売却物件であれば基本的に、空き家はまずメンテナンスされていないと考えるべきです。内装や設備はもちろん、場合によっては基礎工事もし直す必要があるかもしれません。
空き家の売却物件で特に注意が必要なのは、「再建築できるかどうか」です。
古い建物の場合、都市計画法が制定された1968年以前に建てられた家屋は接道義務を果たしていない場合があります。接道義務を果たしていない建物は、解体すると再建築できません。
かといって、そのような古い家屋を住めるように修繕するには、相当額の費用がかかるでしょう。
たとえ無料であったとしても、使用できなければ意味がありません。まずは手に入れる前に再建築が可能かどうかをチェックすることが大切です。
ただし再建築ができない空き家であっても、工夫すれば家屋を建て直すことは可能です。接する道路から離れて、つまりセットバック(敷地のなかのほうに建物を建てること)ができれば、空き家を解体してあらたに家屋を建てることは可能です。
敷地の状態によっては、道路から下がってセットバックによる建築ができないケースもあります。この点も踏まえて、しっかりと現地調査をする必要があります。
無料で提供される空き家には、ふたつのパターンがあります。ひとつは単純にメンテナンスなどに手が回らないため手放したい場合、そしてもうひとつは借り手あるいは買い手がなかなかつかない場合です。
前者の場合には、立地的には問題ないケースもあります。しかし後者の場合には需要がないということが理由なので、立地面で問題があるかもしれません。
そして借り手も買い手もつきにくい立地の空き家となれば、無料で入手しても転売は難しいでしょう。すると今度は譲渡された者が空き家のメンテナンスに悩まされ、同じように無料での譲渡を考えるようになるかもしれません。しかし、そのような空き家はタダでも欲しいという人は少ないでしょう。
そのため、たとて無料であっても、そしてどのような用途での譲渡であっても、将来は売却できるような物件かどうかを確認しておくことが大切です。
無料で譲渡される空き家物件には多くの注意点がありますが、賃貸の場合にも気をつけることがいくつかあります。
一般の賃貸物件は不具合があれば、基本的にはオーナーがその修繕費用を負担します。しかし、無料で提供される空き家となった賃貸物件の場合はケースバイケースとなります。
そもそもメンテナンス費用の負担を軽減させる目的で、無料で空き家を貸し出すのです。不具合があればオーナーが費用負担するとなると、無料で貸し出す意味がなくなります。
つまり、ガス器具がつかえない、あるいはトイレが詰まっているなどの不具合があれば、借り手がその修繕費用を負担する可能性が高いということです。
もちろん家賃を支払うことに比べれば修繕費用のほうが安くつくとなれば、損をする話ではありません。
しかし、そもそも借り手がなかなかつかずに空き家となっている賃貸物件は、立地や利便性などに何かしらの問題を抱えているものです。
生活をするうえでの不便さも考慮したうえで、無料で借りるだけの価値があるのかどうかを考える必要があります。
長く借り手がつかない空き家の賃貸物件は、内装や設備に不具合が生じている可能性があります。かといって修繕を依頼しても、その必要はないと言われるかもしれません。
では自分で修繕する、いわゆるDIYが可能かどうかを確認する必要があるでしょう。おそらく無料で貸し出す空き家ならば、自由にDIYをしてよいと言われるかもしれません。
しかし自分で勝手に判断せずに、きちんとオーナーに確認しておくことが大事です。
無料で空き家となった賃貸物件を借りるとはいえ、賃貸契約書はしっかりと確認しておきましょう。万が一賃貸契約書がないというような場合には、作成を頼まなければなりません。
賃貸物件を借りるとなれば、いろんなトラブルも発生します。その際に借り手と貸し手のどちらが対応するのか、賃貸契約書で明確にしておく必要があります。
内容によっては借り手に相当の金銭的負担がかかることも考えられます。一般の賃貸物件を借りるよりも負担がかかるようでは、わざわざ空き家物件を無料で借りる意味がありません。
無料で借りられる、あるいは譲渡される空き家には、注意点が多いことがわかります。もちろん、すべての空き家に問題があるわけではありません。
持ち主の事情により、やむなく無料で手放す空き家もあるでしょう。
今回ご紹介した内容を確認したうえで、問題なく住める空き家があれば無料で使用することは大きなメリットがあると思います。
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