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その他 2022/05/31
自宅の近くに空き家がある場合、さまざまな問題に悩まされる可能性があることをご存知でしょうか。起こりうる問題を知っておいたうえで、自分に何ができるのかを把握しておくことは大切です。
そこで今回は、家の近くに空き家がある場合にどうすればよいのかを詳しく説明します。
家の近くに空き家があると、どんな問題が発生する可能性があるのかをご紹介します。
庭に立木があれば、その管理を適切に行う必要があります。しかし、空き家となり住む人がいなくなれば、庭の手入れもなされずに放置されることにもなるでしょう。
すると、その立木が敷地から道路へ伸びて、歩行者の邪魔になることがあります。
さらにその立木が朽ちてくれば、枝が落ちることもあるでしょう。歩行者にとっては危険な存在になります。
空き家が放置されると、このように立木が歩行者の邪魔になるばかりか、怪我をする元になる可能性もあるので危険です。
大きな地震でブロック塀が崩れ、通行人が怪我をするというケースは決して珍しくありません。そして、空き家もブロック塀を適切にメンテナンスしなければ、地震などの影響で倒壊する可能性があります。
通勤や通学などで空き家の横を歩く場合には、このようにブロック塀に注意しなければなりません。もちろん、空き家の持ち主がその管理をする義務がありますが、遠く離れた場所にいる場合にはなかなかメンテナンスができないという事情もあるでしょう。
そのため、放置され老朽化が進んだ空き家のそばを通る時には、注意が必要です。
放置された空き家は自然に劣化するだけではなく、ゴミを投げ捨てられるといった行為により不衛生になります。近所の人はその異臭に悩まされることもあります。
場合によっては粗大ゴミの不法投棄の対象にもなりかねません。管理する人がいなければ、投げ込まれたゴミは撤去されずに雨ざらしになってしまいます。
その結果、虫も発生しますし極めて不衛生な状態になるでしょう。近所に手入れがなされていない空き家があると、そのような問題が発生する可能性があります。
空き家は放置されると、老朽化が早く進行します。その結果、土台や柱などが腐食することにより、家屋が倒壊する可能性があります。
大きな地震が発生すれば周囲は危険な状態にもなりますし、さらに火事が発生するかもしれません。
遠く離れた人が相続により取得した空き家は、なかなかメンテナンスができないものです。また現地に足を運ぶこともあまりなければ、実際にどのような状態なのか確認すらできないでしょう。
その結果、老朽化が進んだ空き家は相当の修繕費用がかかることになり、なおさら空き家を取得したオーナーは管理もしづらくなるといった状態になりかねません。
以上のように、管理されずに放置された空き家はいろんな問題を発生する可能性があります。しかし周辺住民が直接的に何かできるかというも、何もできません。
庭の手入れをしたり、あるいは家屋の修繕をしたりといったことを所有者の代わりに行うことはできないということです。
それでは地元の自治体に頼めば対処してくれるのかというと、それもできません。具体的には、道路にまで伸びた立木を切ったり、あるいは不法投棄されたゴミを片付けたりといった、いわゆる「行政代執行」をすぐに行えるわけではないということです。
基本的に空き家の管理は、所有者が行わなければなりません。自治体といえども、地域住民から要請を受けてすぐに対処するわけにはいかないのです。
では近くに空き家がある場合、何もできないのかというとそうではありません。
すぐに行政代執行ができないとはいえ、やはり近くに放置された空き家があれば自治体に連絡をしましょう。段階的に対処して、最終的には自治体が問題の解決を図ってくれるからです。
空き家は原則として所有者が管理する義務があります。そこで、地域住人から連絡を受けた自治体は、現地調査を行ったうえで空き家の所有者を調査します。
その際に、該当する物件が空家等対策法や空家等条例に基づく「空き家」に該当するか否かを判断します。そして空き家と判断した場合には、所有者を調べて通達します。
放置された空き家が倒壊などの危険性があると判断すれば、自治体は「特定空き家」に指定してさまざまな対処をします。
まずは所有者を特定したうえで、状況改善のための助言や指導を行います。しかし状況が改善されない場合、勧告・命令と移り、最終的には行政が所有者に代わって対処する「代執行」を行います。
つまり、空き家の所有者が確認できたものの適切な対応をしない場合、自治体が所有者に代わって問題解決のための処理を行なってくれる可能性があるということです。
空き家を放置しておくと、台風などの影響を受けて建材が飛散するなど、周辺に危険を及ぼす可能性が生じます。このような空き家に対しては、緊急安全措置を規定する自治体もあります。(※1)
一般的に特定空き家に対しては、指導・助言から勧告、命令といった手順を踏んで最終的に行政代執行を行います。しかし台風や地震などの自然被害は突発的に起こるものであり、必要な手順を行なっていては被害を未然に防ぐことが難しくなります。
そこで、緊急性が高いと判断される特定空き家に対しては、落下の危険性がある瓦や建材を自治体が所有者に代わって除去することができるようになります。あるいは立木の伐採や剪定を行い、通行人に被害が及ぶのを未然に防ぐことも可能です。
家の近くに放置されている空き家があれば、まずは自治体に連絡することでそのような緊急安全措置を講じてくれる可能性も高まります。
最後に放置された空き家について、相続放棄されたらどうなるのかを説明します。
遠く離れた実家が空き家となり、相続により所有者となる人は少なくありません。その結果、空き家の適切な管理のために費用と労力をかけることになると悩む人もいるでしょう。
では、そのような事態を避けるために相続放棄したらどうなるのでしょうか。
実は空き家を相続放棄したからといって、相続人はその管理をせずに済むわけではありません。これは民法第940条において、次の相続人が決まるまで相続放棄をした者がその財産管理をしなければならないとしているからです。(※2)
それを知らずに、相続放棄をした人が空き家を放置しているケースがあるかもしれません。そのため、近くに気になる空き家があればまずは自治体に連絡をするのがよいでしょう。
家の近くに放置された空き家があっても、自治体がすぐに対処してくれるとは限りません。そこでまずは、そのような空き家があることを自治体に連絡することが大事です。
危険性のある空き家は自治体が動いて、何らかの対応をしてくれます。最終的には行政代執行という形で危険性を排除することになるので、必ず連絡をするようにしましょう。
参考サイト
(※1)
「特定空家等に対する市独自制度について」
https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000017/17721/7006.pdf
(※2)
「民法」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#4013
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