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その他 2022/06/01
そもそも空き家を売却した際に税金がかかるのか?といったところから話していきたいと思います。
答えとしては、売却した際に”利益”が発生した場合、税金を支払う必要があります。
この利益の計算方法と税金の種類について詳しく見ていきましょう。
そして空き家の種類によっても税金が変わってきます。
所有している空き家が、相続なのかそうでないのか。マンションなのか普通の空き家なのか等々、細かい条件で変化します。
ご自身の所有している空き家の条件に合わせて確認してみて下さい。
また、3000万円特別控除と言われる特例にあてはまれば、税金を支払う必要が無い場合もあります。
どういった場合にあてはまるのかも後述していきますので、興味のある方は最後まで参考にして頂ければと思います。
最初に空き家を売却した場合の税金を確認します。
売却時に発生した利益を、譲渡益と言います。
この譲渡益が発生した際にかかる税金が、所得税、住民税、復興特別所得税となります。
ということで、まずは譲渡益の計算から行っていきましょう。
*計算式
譲渡益=①譲渡価額ー②取得費ー③譲渡費用
となります。
それぞれ細かくみていきたいと思いますが、ざっくり説明すると以下の通りです。
まず
①譲渡価格は、物件の売却価額です。
②取得費には、概算法と実額法があります。この2つの金額の大きい方が取得費となります。
③譲渡費用は、仲介手数料・印紙税・測量費など物件を売却した際に必要となる費用となります。
*今回の記事は空き家を売却する場合にフォーカスしているので、関係ないですが、空き家を取り壊して、土地を売却した場合には取り壊し費用等が費用として計上できます。
上記に記載した計算式の②取得費の詳細を確認しましょう。
まず、取得費とは、以下の金額から大きい方の金額となります。
一つ目が、概算法です。
計算式としては、譲渡価額×0.05です。
二つ目が、実額法です。
入時の仲介手数料やリフォーム費用等の建物を取得する際にかかった費用の総額をまず計算します。
そこから建物の減価償却費を差し引いた金額となります。
(*注意点として、物件の取得金額が分からない場合には、実額法で計算できない為、概算法を採用する事になります。)
続いて、実額法に必要となる減価償却費の算出方法を確認していきましょう。
算出方法として一般的に使用されるのが、定額法という方法です。
*計算式
建物購入代金×0.9×償却率×経過年数
償却率に関しては
木造が0.031
軽量鉄骨が0.025
鉄筋コンクリートが0.015
となります。(非事業用建物の場合)
以上が、取得費を算出する際に必要な計算方法でした。続いては譲渡費用に関して確認していきましょう。
譲渡費用とは、文字の通りに譲渡の際に必要となった費用の合計となります。
よって譲渡費用となりうる項目を以下に記載していきますので、当てはまるもの全てを合計した額が譲渡費用となります。
1つ目が、空き家を売却した際に支払った仲介費用。
2つ目が、登記に必要な費用。
3つ目が、売買契約書において必要な印紙税の、売主側負担額。
4つ目が、測量に必要となった費用。
5つ目が、空き家の譲渡価額を増やすために、維持や管理に必要となった費用。
以上の5つになります。
これらの費用を1つずつ確認して頂くと譲渡費用を割り出すことが出来ます。
計算式等の難しい話が続いていますが、ここでやっと最初に記載した「譲渡益=①譲渡価額ー②取得費ー③譲渡費用」の①②③全ての額が出て、譲渡益を割り出せた状態です。
ですので、続いて本題となる税額について確認していきましょう!
譲渡益は、所得とみなされます。その所得を譲渡所得と言います。
所得に関係する制度の一つに、分離課税制度とよばれるものがあります。この制度では、普段の所得に加えるのではなく別の所得として計算する事ができます。
よって、空き家売却の際に支払う必要のある所得税も、主となる所得と分けて考える事ができます。
具体的には、短期譲渡所得と長期譲渡与所得にわけられます。物件の所有期間が5年以下の場合を短期、5年超の場合を長期と判断します。
短期の場合は、所得税率が30%・住民税率が9%となります。
長期の場合は、所得税率が15%・住民税率が5%となります。
以上が所得税および住民税の税率となります。
また、2037年まで所得税の2.1%を復興特別所得税として支払う必要がありますので、納税額にプラスされるかたちとなります。
空き家を相続した後、売却した場合に適用条件を満たすと特別控除の対象となります。
その場合には、譲渡所得から3000万円の控除が可能となるので、是非確認してみてください!
順番に適用の条件を見ていきます。なるべく簡単な言葉に噛み砕いて記載していきます。
少し長いですが、確認していきましょう。
まず1つ目の要件は、相続した日から計算して3年が経過する年の12月31日まで。
尚且つ、この特別控除期間である平成28年4月1日から令和5年12月31日まで。
この2つの期間に収まっている時期に売却した場合に適用されます。
○相続前に被相続人が1人で住んでいた建物
○相続後から売却までに、事業や商用、居住などの目的として使用していない建物(空き家であれば可)
○昭和56年5月31日よりも以前に建築された、区分所有建築物以外の建物(耐震の基準に達していない建物の為)
これらの要件を満たしている場合に適用されます。
○譲渡対価の合計額が1億円以下である建物
○相続した人が耐震リフォームをした建物
これらの要件を満たしている場合に適用されます。
以上3つの全てに当てはまった場合に3000万円特別控除が受けられます。
注意点としては、相続税に関する特別制度と併用できないなどの詳細な要件も存在している事です。そ
の際にはどちらの制度を適用するのか、ご自身の判断となります。
そして、残念な事に住宅ローン控除との併用もできないです。
通常の譲渡に比べると空き家譲渡の要件は少し厳しいですが、譲渡所得が発生した際には1度確認してみると良いのではないでしょうか。
控除を受ける為には、手続きを2回行わなければなりません。
まず、1回目の手続きは空き家がある市区町村で空き家の確認書を発行してもらう必要があります。
この確認書を2回目の手続きである確定申告書に貼り付ける必要があります。そして貼り付けた確定申告書を税務署に提出して完了となります。
確定申告の時期は2月16日から3月15日となっているので、この時期に忘れずに手続きを行う必要があるという事になります!
上記の3000万円特別控除を適用してもなお、譲渡所得がプラスになってしまう!といった場合も可能性としてはありますよね。
そういった場合には軽減税率の特例が適用される場合がありますので確認していきましょう!
まず、適用される要件が、所有期間が10年を超えた居住用の物件を譲渡された場合となります。
税率に関しては、6000万円以下の譲渡所得にかかる所得税率が10%・住民税率が4%となります。
また、6000万円超の譲渡所得にかかる所得税率が15%・住民税率が5%となります。
細かい計算が多く、多数の要件を確認する必要がある為、少し難しく感じるかもしれません。
3000万円特別控除は、とてもメリットの大きい制度ですので、利用できる場合は積極的に使ってください!
噛み砕ける所は簡単な言葉で記載してますので、是非参考にして頂けると幸いです。
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