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その他 2022/06/03
空き家を安く購入し解体して新しい家に建て替えようと、空き家探しを始める人も居るでしょう。
今回は、空き家の情報を提供する空き家バンクや、空き家の解体費用、建て替えに対する自治体の補助金制度を解説します。
空き家を所有していると固定資産税の支払いや空き家の維持管理などに、費用や手間がかかります。
また、老朽化した空き家を放置していると、特定空家に指定される心配や倒壊による事故、不審者の侵入など様々なトラブルの原因になる可能性があります。
このような状況から空き家を早く手放したい所有者も多く、場合によっては相場より安い値段で買えるケースがあるのです。
まず、空き家を買いたい場合は、情報を集めることから始めましょう。
不動産会社を利用したり、地元の空き家を探すのであれば知人や親戚に相談してみたりしてもよいでしょう。
インターネットを活用して、広く空き家の情報を集めることもできます。
面倒でも家を建てたい地域にある不動産会社を訪ねると、ホームページには載せていない物件を紹介してもらえるケースもあります。
空き家の中には売りに出ていない物件もあります。近所に気になる空き家がある場合などは、法務局から登記事項証明書を取り寄せると所有者を確認できます。手数料の支払いが必要ですが、登記事項証明書はネットや郵送での取り寄せが可能です。
所有者の住所がわかれば手紙などで連絡を取り、売買の交渉をすることも可能です。直接交渉をして空き家を購入すれば、仲介手数料はかかりません。
しかし、不動産の購入には売買契約書類の準備や物件の状況の把握、税金、登記などの専門的な知識が必要です。
個人同士での取引は後々、トラブルを招く可能性があります。
不動産会社に相談し、仲介を依頼するほうが好ましいでしょう。
ちなみに、物件の売買契約が成立した際に不動産会社に購入者が支払う仲介手数料には、法令による上限額があります。
【仲介手数料の上限額】 | |
取引額 | 仲介手数料(税抜) |
200万円以下の金額 | 取引額の5%以内 |
200万円を超え400万円以下の金額 | 取引額の4%以内 |
400万円を超える金額 | 取引額の3%以内 |
仮に、売買価格1000万円の土地であれば、仲介手数料の上限額は36万円に消費税をプラスした金額です。
以下のように計算します。
A:200万円までの部分:200万円×5%=10万円
B:200万円超え400万円までの部分:200万円×4%=8万円
C:200万円超え400万円までの部分:200万円×4%=18万円
A+B+C=36万円
基本として、仲介手数料は売買が成立するまで支払う必要はありません。
登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です :法務局
自治体や民間企業が、売却を希望する空き家の情報を提供するサイトを運営しています。
このようなサイトを活用し広く空き家の情報を集めると、好条件の物件に巡り合える機会が増えるでしょう。
サイトを見て気に入った空き家があれば、購入も可能です。
参考までに、空き家の情報を提供するサイトをいくつかご紹介しておきます。
空き家バンクとは
「空き家バンク」は、市町村などが空き家の売却や賃貸を希望する人から申し込みを受け、空き家を買いたい人もしくは借りたい人に情報を提供し紹介する仕組みのサイトです。
空き家の有効活用と、定住促進による地域の活性化を目的としています。
買い手を募集している物件の情報は、所在する自治体の空き家バンクのサイトで閲覧できます。市町村の空き家に対する補助金制度も一緒に確認できるので、非常に便利です。
空き家バンクに気になる物件があれば、実際に現地に赴き見学するとよいでしょう。
売買の交渉・契約に関しては自治体が提携する不動産会社が仲介するケースや、自分自身で売主と直接契約するケースがあります。なお、自治体は売買の交渉・契約・契約後のトラブルには、一切関与しない点に注意しましょう。
出典:空き家バンクとは 楽園信州空き家バンク
民間企業が運営する空き家のマッチングサイトに、「家いちば」があります。空き家を売りたい人が家いちばの掲示板に物件情報を投稿し、掲示板を見た購入希望者が売り手と直接交渉する仕組みです。
交渉がまとまり契約の段階になると、宅地建物取引士が細かい条件をチェックして売買契約を成立させます。
登記・ローン手続きのサポートにも対応が可能です。
家いちばは契約成立前までは無料で利用できます。
成約すると利用料金として購入者の場合、基本料金6万円と仲介手数料の支払いが必要です。
仲介手数料は下表の通り通常取引の半額となっており、売買に必要な費用を抑えられるでしょう。
売買価格 | 成約基本料金 | 仲介手数料(税抜) |
400万円超え | 一律6万円 | 売買価格の1.5% |
400万円以下 | 売買価格の2% | |
200万円以下 | 売買価格の2.5% |
空き家を買い新しく家を建てる際に、気になるのが解体費用でしょう。
空き家の解体費用は建物の種類や広さ、現場の状況(道路の幅・隣の建物との距離等)などによって違ってきます。
一般的な空き家の解体費用の目安は、以下の通りです。
上記の金額に工事費用や処分費用などが加算されます。
正式に解体を依頼する前に、解体業者に見積もりを出してもらいましょう。
業者は実際に現地に赴き調査し見積もるので、どの程度の費用が必要か事前に把握できます。
相場とあまりにかけ離れている場合は、見積もりの根拠を尋ねてみましょう。
実際に解体が始まると見積もりの段階ではわからない、追加の費用が発生することがあります。
例えば、解体中に地中埋設物(※)が出てくると、撤去費用として追加費用の支払いが必要です。
売主が不動産業者であれば最低2年の瑕疵担保責任(※)が業者側にあるため、原則として撤去と費用の負担は不動産業者が負います。
個人同士の取引の場合は、契約時に瑕疵の内容について明確にし、所有者(売主)に対して瑕疵担保責任を追及する旨を売買契約書に明文化しておくとよいでしょう。
また、空き家の中にある家財道具があると、解体費用と別に処分費用が発生します。
家財道具は売主側が処分するのが基本です。物件を見学し家財道具が残っていれば、所有者や仲介業者に処分について確認しておきましょう。
(※地中埋設物とは、地中から出土する排水管や浄化槽、コンクリートガラ、アスファルト片などの廃棄物をいいます)
(※瑕疵担保責任とは、購入したものに購入時点では明らかになっていない隠れた瑕疵(欠陥)があった時に、売主が買主に対して負う契約解除・損害賠償などの責任をいいます)
建て替え目的で空き家を購入する場合に注意したいのが、再建築不可物件です。
家を建てる用地には建築基準法によって、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないなどの制限が設けられています。
つまり、解体後に新しく家を建てられない土地があるのです。
例えば道路に接しておらず周りの土地に囲まれた状況で、道路に出るには他人の土地を通行するしかない「袋地」と呼ばれる土地があります。
袋地に建つ空き家は、解体しても新しく家を建てられないのが基本です。
空き家が所在する自治体によっては、空き家の建て替えに補助金制度を利用できる場合があります。
例えば、長野県長野市では令和元年度において、空き家解体後に戸建住宅を建設する工事に対し直接かかる費用の2/10(限度額100万円)を補助しています。なお令和2年度の受付は4月2日以降です。
自治体の補助金制度には利用条件が設けられており、更に申請期間がある場合や補助金の予算の上限に達すると申請の受付を締め切る自治体もあります。
補助金の申請を希望する場合は、早めに空き家が所在する自治体に制度について問い合わせるとよいでしょう。
空き家の中には所有者が売りに出していない物件や、不動産業者を介さずにネットを利用して売り出している物件もあります。
いろいろな方法で、条件の良い空き家を探してみるとよいでしょう。
また、購入後のトラブルを防ぐために、売買の交渉・契約に関しては専門家への相談や仲介を検討してみましょう。