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その他 2022/05/27
親などから古民家を相続したものの、建物が古く駅からも遠いため、上手に売れるのか心配になる人も多いでしょう。
古民家は、築年数がそれほど経っていない中古住宅とは、構造や間取りがだいぶ異なるため、ターゲットが分かりにくいという特徴もあります。
古民家だからこそ、どのように売り出すのか、アピールする方法などを含めて考えることが大切。
そこで、古民家を売りたい人に向けて、それを上手に売る方法について解説します。
近年は、レトロブームなどから古民家が売れやすい状況が生まれているものの、売るのは簡単ではありません。
古民家を売るのが難しい理由のひとつが、築年数が20年を超えているケースが多く、なかには築40年を超えることもある点です。古い家は木造のため劣化が早く、時間の経過と共に価値が下がっていくもの。
築年数が20年を超えると家の価値はほとんどゼロになると考えていいでしょう。家の価値が下がる理由となるのが耐用年数の問題です。
耐用年数が20年であれば、築年数が10年になった時点で価値が半分、20年経ったらゼロになるというわけです。そのため築年数が20年を超えると、土地のみの価格で売りに出されることも少なくありません。
基本的にすべての家は建築基準法に従って建てられています。
ただ、建築基準法は1981年に改定されており、旧基準は震度5の揺れに耐えられる、新基準は震度6から7の揺れで倒壊しないという違いがあります。
1981年より前に建てられている古民家は、建築基準法を満たしていることを証明できないため、耐震診断を受けて耐震性を証明しておくことをおすすめします。
古民家を売ろうと思ったら、まずは不動産会社に売却を依頼することから検討してみましょう。
不動産会社に依頼する際、古民家があるエリアに密着している、実績豊富な地元の不動産会社を選ぶことがポイントです。古民家があるのは、田舎と呼ばれるエリアが中心となるため、大手不動産会社は成約事例がほとんどありません。
それに対して、地元密着型の小さな不動産会社は、地元のことを知り尽くしていることから、多数の実績があることがあります。
成約に至るプロセスに田舎特有の特徴があることも多く、それを知り尽くしている地元の不動産会社のほうが、結果が出せるというわけです。
田舎に根差した不動産会社は、一括査定サイトに参入していることが少なく、ネットで検索しても見つけ出せないこともあります。そのため、ネット上で地元の不動産会社を調べたうえで、自分の足で探すことも視野に入れましょう。
そのほか、古民家が空き家となっている場合は、自治体が運営している空き家バンクに登録するという選択肢もあります。
不動産会社とは異なり、買い手との契約手続きを自らする手間はありますが、古い家を探している人と出会える可能性が高まります。
古さが味になる古民家ですが、現代のライフスタイルと合わず住みにくいという特徴があるため、リフォームすることも一案です。
築年数を経ている古民家は、家そのものの価値はゼロに等しく、土地のみの価格となることが大部分。しかしながら、リフォームあるいはリノベーションすることで、古民家の価値を高めることも可能です。
購入希望者が内見に来たとき、老朽化した家とリフォーム済の家では、見た目の印象がかなり変わります。売りに出す際も、「リフォーム済」という表示を出せるため、すぐに入居したい買い手に安心感を与え、購入希望者を増やせる可能性もあります。
ただし、購入希望者を増やすためだけに、コストを無視してリフォームやリノベーションをすると、かえって成約が遠のくこともあります。
なぜなら、リフォームやリノベーションは費用がかかるため、それを販売価格に上乗せしなければならないからです。
また、古民家の購入を検討している人は、できるだけ安い費用で購入して、好きなようにリフォームしたいと考えていることも少なくありません。
そのため、売り出し前に手を加えてしまったことで、購入希望者が減ってしまう恐れもあります。
費用がかかるリノベーションは避け、水回りなど最低限のリフォームにとどめてみてもいいでしょう。
家付きであることで売れにくくなる、さらには管理費用がかかる場合、それを解体して更地にすることもできます。
古民家に誰も住んでいない場合、放火される、不審者が侵入する、破損で他人に被害を与えるなど、さまざまなリスクが発生します。誰かに被害を与えてしまったら責任をとるのは所有者となるため、住んでいなくても管理し続けなくてはなりません。
古民家の劣化が進んでおり、破損しているところが多い場合、修繕費用が高額化する傾向があります。前もって解体してしまえば、古民家を管理する費用も責任もなくなるため、金銭的・労力的・精神的な負担が緩和されるというメリットがあります。
古民家を解体することで、さまざまな負担を減らせるものの、解体費用は一定額かかります。もちろん、解体費用を上乗せして更地を売り出すこともできますが、価格が高くなったことで買い手に敬遠されかねません。
さらに注意しなければならないのは、家付きの土地よりも更地のほうが固定資産税は高いということです。更地化を検討する場合、まずは解体業者に費用の見積もりを出してもらい、どのような方法が最善なのか見極めることが大切です。
古民家の価値がゼロに等しい場合は、「古家付きの土地」として売り出すことも少なくありません。
更地にすると解体費用や固定資産税がかかるため、売却価格に上乗せせざるを得ません。そこで、古民家の価値をゼロにして、「古家付きの土地」として売り出すという方法もあります。
家の管理義務は発生するものの固定資産税額は優遇されるため、費用を抑えられます。ただし、買い手がリフォームや解体の費用を負担することが前提となるため、その分を考慮して価格を設定する必要があります。
「古家付きの土地」を探している人は、単に購入費用を抑えたい場合もありますが、家づくりに何らかのこだわりがあることも少なくありません。
古民家を取得したあと、自分の好きなようにリフォーム・リノベーションする、あるいは更地にして注文住宅を建てるなど、何らかのプランがあることも多いでしょう。
いずれにしても、買い手は古民家の取得後にそれなりの費用をかけることになるため、安ければ安いほど歓迎されることは事実。
家の管理義務や固定資産税などの負担を踏まえ、古民家の立地や状態によっては、破格の価格で売りに出したほうがいいこともあります。
古民家は、新しく建てられた家とくらべると劣化や住みにくさがあるものの、その風情ある古さに魅力を感じる人も増えてきています。
そのため古民家を上手に売ろうとするなら、その魅力をアピールする、古家付きの土地として売り出す、あるいは解体して更地にするなど、複数の方法を検討する必要があります。
家の状態や立地、買い手のニーズなどを踏まえて、どのような方法がいちばん効果的なのか見極めることが大切になるでしょう。
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