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その他 2022/05/27
最近は、空き家ゲートウェイのような売買マッチングサイトから、100均空き家が売りに出されるなど、激安不動産が話題になることが増えてきています。
100円物件まではよく聞きますが、「不動産屋が1円で売りに出していた!」という報告が、ツイッター等でちょくちょく流れてきます。1円で夢のマイホームやセカンドハウスを取得できるのなら、とてもお買い得な話ですよね。
そこで、本当に1円物件を不動産屋で買うことはできるのか、いくつかの視点から解説していきたいと思います。
結論から言うと、いくつかの理由から空き家を手放したい人が増えたことで、1円物件を不動産屋で買えるよことがあります。
現在の日本では、1年以上だれも住んでおらず、管理も行き届いていない空き家が問題化されています。
空き家は、その地域の景観を損ねるのみならず、家屋の劣化や破損により他人をケガさせる、不審者が侵入して犯罪行為に利用されるなど、さまざまなリスクを伴います。
そのため国や自治体は、空き家を減らすために、購入者に修繕費やリフォーム費用を支援するなどの対策を講じるように。
そのような背景もあり、不利な条件により通常の販売が難しい物件が、100円さらには1円にて売り出されるケースがでてきました。
さらには、1円物件があらわれてきた背景として、深刻な相続問題が挙げられます。親が亡くなったあとに子供が空き家を相続するケースは少なくありません。一定以上の金額で売れるのなら物件を相続する意味があります。
しかしながら、立地の条件がよくないと、相続評価額は1000万円であるにもかかわらず、最終的な売却価格が10万円を切ることも多々あります。
売れるまでの管理費、修繕費、固定資産税の支払いを考えると、完全に赤字になってしまいます。
そのため、さまざまな出費を考えたら、タダでもいいから手放してしまいたいと思う人もいるのです。
立地が悪く築年数も経っており、通常の売却活動が難しい1円物件は、不動産屋にとって利益がでる物件ではありません。
利益を出せないにもかかわらず、不動産屋が1円物件を売り出す理由のひとつが宣伝効果。サイトに1円物件を掲載すると、それを見た人がSNS等でつぶやき、全国的に周知される現象がたびたび起こります。
実際、1円物件の存在が拡散されたあとは、明らかに問い合わせの数が増え、ほとんどの物件は売れてしまうとのこと。
トータルすると利益はないものの、宣伝効果を見込んで不動産屋は1円物件を取り扱うというわけです。
1円物件は、購入費用をかけたくない人にとって魅力的ではありますが、瑕疵があることが多いというのも事実。
築年数が30年以上経っており、劣化が激しい家屋は、シロアリ被害や雨漏りが潜んでいる可能性が高いというのが現状。
そのため、責任をもって取り扱えるのは、不動産屋のなかでもノウハウがあるところに限定されます。購入者も一定のリスクを引き受けることになるため、価格だけではなく不動産屋のノウハウや実績を確認する姿勢を持つことが大切になるでしょう。
1円物件を不動産屋で購入する場合、すぐに入居できる状態ではないことから、買い手側にも向き・不向きがあります。
1円物件は、不動産会社がある程度の修繕はしていても、完全にリフォームされていることは基本的にありません。そのため、物件を購入したあとに、買い手が自ら手直しする必要があります。
もちろん、業者にリフォームを依頼する人もいますが、フルリフォームすると200万円近くかかることも。
1円物件の購入者は、自分で修繕することも楽しめる、DIYが得意な30代から40代にかけての男性が中心となっているそうです。
また、1円物件と聞くと、資金に余力がない人が興味を持つイメージがありますが、実際はその逆。物件そのものは1円で購入できたとしても、家屋の修繕費用は一定額かかると考えなくてはならないからです。
そのため、ある程度の経済的な余力がある人が、自分が理想とするライフスタイルを実践するために、資金を投入するケースが目立ちます。
コストカットのためだけに1円物件の購入を検討している人は、その後の資金計画をいちど立ててみることをおすすめします。
不動産屋で売り出されている1円物件は、どのような点に注意して探せばいいのでしょうか。
不動産屋にもよりますが、1円物件が掲載されても、物件サイト上は100円と表示されているケースがあります。
そもそも不動産を1円単位で売るという想定がないため、サイトのシステム上の都合で1円と表示できないことがその理由。
そのため、1円で購入したい場合は、1円ではなく100円も含めて探す、あるいは問い合わせフォームを通じて確認することがポイントです。
1円物件を購入したあと、必要経費としてリフォーム費用、手続きのための司法書士の報酬、固定資産税の一部負担などが発生します。
物件がある立地も、交通の便が悪い、近所にスーパーがない、山のなかにある、崖のふもとにあるなど、利便性を重視するうえでのデメリットは避けられません。
そのため、リスクも含めて楽しむ、そんな前向きな姿勢で1円物件を購入することが大切です。
不動産屋が売り出している1円物件には、いくつかの傾向がありますので、ご紹介します。
1円物件は、駅から一定の距離があり、交通の便はよくないものの、温泉が利用できるケースが目立ちます。もともと別荘だったことも多く、セカンドハウスとして利用できることが、この手の1円物件の最大の魅力。
温泉がでる浴室がすでに完備されており、すぐに温泉ライフを開始できる物件も。ただし、温泉利用料がかかるなど、一般の住宅よりも維持管理費がかかることを念頭に置いておく必要があるでしょう。
築30年を超える中古物件はよくありますが、1円物件のなかには築100年を超えるものも少なくありません。
古民家であったり洋館であったり、家屋の種類もバリエーションに富んでおり、相当の広さの家屋が付いていることもあります。
築100年というと、住むのは危ないと思われがちですが、不動産屋のほうでもチェックしていており、想像以上に頑丈です。
以前の住人が農業を営んでいた、田んぼや畑がついてる1円物件が売りに出されていることもあります。
多くの場合、長いあいだ放置されているため、すぐに田植えや植え付けができるわけではありません。
いちから始める気持ちをもって購入すると、田んぼや畑の開拓、農作物の植え付けから収穫まで、自給自足ライフを楽しむこともできるでしょう。
不動産屋で1円物件を購入するは可能ですが、1円で売られることには、立地や築年数など何らかの理由があります。
さらに、リフォーム前であることが多く、瑕疵があることも少なくないため、家屋の管理に関するノウハウがしっかりある不動産屋を通じて購入することが大切。
リスクをリスクと思わずに楽しめれば、その家はあなたにとって特別な存在になるかもしれません。
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