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その他 2022/05/27
空き家の状態が長く続くと、「特定空き家」に指定され、固定資産税が増額される可能性があるため、所有者はできるだけ早く売りたいと思っています。
そこで、手放すことを優先させるため、物件を売るのではなく譲るというケースがありますが、安いぶん何らかの問題が潜んでいることがあります。
今回は、空き家物件を譲り受けるときに確認したい事項を5つご紹介します。
空き家になった理由はさまざま。気にする必要がないものもあれば、注意したほうがいいものもあります。
所有者が亡くなった、転勤になったなど、引っ越したなどが理由の場合、空き家であっても心配する必要はありません。
しかしながら、空き家になった理由に、事件や事故、自殺が絡んでいる場合は、譲り受ける前に確認しておいたほうがいいでしょう。
空き家が「訳あり」の場合、将来に売却するときに価格が下がってしまうなど、のちのちにトラブルの原因となることがあるからです。
もちろん、このような事故物件でも気にならないなら、譲り受けて問題はありません。
空き家になったきっかけとして、さらに注意したほうがいいのが近隣トラブルです。
これらの理由から、そこ住み続けることが嫌になり、さっさと家を手放そうと思っていることもあります。
とくに隣人トラブルが原因の場合、被害の矛先が自分に向けられる危険性もありますので、所有者はもちろん周囲からの情報収集も怠らないようにしましょう。
空き家物件は、一定の期間だれも住んでいない状況のため、思いもよらない劣化や損傷が露呈することがあります。
空き家を譲り受ける際、とくに考えらえるのが、冷暖房機器や給湯器などの設備に関するトラブル。
設備そのものは古くなくても、長期間使用していない場合、故障していたり安全に使用できなかったりすることがあります。
家屋のあらゆる箇所が壊れやすくなっており、譲り受けたあとに何度も修繕費用が発生するリスクもあります。
そこで空き家の所有者に、どの程度のメンテナンスを行っていたのか、修繕を要する箇所はどのくらいあるのか、確認しておいたほうがいいでしょう。
また、長らく誰も住んでいない家には、目視では気づけないようなトラブルが潜んでいる可能性があります。
とくにシロアリ被害は、空き家を入念にチェックしても、素人ではなかなか気づけません。
シロアリの被害による雨漏りや床抜けなど、多額の修繕費がかかってしまうと、譲り受けた意味がありません。
そこで、所有者に確認したうえで無料のシロアリ調査を行い、費用の見積もりを出したうえで、譲り受けるか検討することも一案です。
空き家物件を譲り受けることは、厳密には不動産の「譲渡」という位置づけになります。
空き家のなかには、家具や家電、その他の備品や私物が残されていることがあります。
また、庭に草木や花が植えられている、花壇等が設置されていることもあるでしょう。
空き家を譲り受けることになったら、「贈与」を理由とする所有権移転登記を行う流れになります。
そこで、家屋以外の備品や植物などをすべてリスト化し、引き継ぐもの、撤収するもの、廃棄するものを明確化しておくと、のちのトラブルを回避できます。
どれだけ不便な場所にある空き家であっても、不動産としての価値があります。
そのため、所有者が譲ると言っていても、家族や親族に猛反対している人がいないか、念のため確認しておいたほうがいいでしょう。
また、空き家の所有者本人以外の人が譲ると言っているときも、その経緯や事情を確認する必要があります。
高齢の所有者に代わって財産を整理しているだけの場合もあれば、何らかのトラブルが背景にある場合もあるからです。
近年の日本では、東日本大震災の影響もあり、家の耐震に気を遣う人が増えています。そのため耐震性に問題があり空き家となっているケースがあります。
基本的に日本の住宅は、築年数により耐震性を把握することができます。
1981年(昭和56年)6月1日以降であれば、新耐震基準に従っているため、震度6強から7程度の揺れでも基本的に倒壊しません。
それより前に建てられている場合、「震度5強程度の地震ではほとんど建築物が損傷しない」という基準となります。
つまり、震度6以上の規定がまったくなく、震度5の場合も曖昧な表現になっています。築年数は、建設時の契約書類で確認できますので、所有者に見せてもらうといいでしょう。
また、耐震性を把握するために、地盤の状況を確認する必要もあります。
過去に地盤沈下、液状化、道路の陥没などに遭遇したかを確認することで、ある程度なら地盤の状況を把握できます。
同時に自分でも、住宅地盤情報提供システムの「ジオダス」や国交省の「ハザードマップポータルサイト」などを通じて、地盤の状況を確認しておきましょう。
区画整理が行われていないエリアにある、築年数が古い空き家を譲り受ける場合、建築基準を満たしているのかも確認事項となります。
古い空き家を譲り受けて、新しい家を建てなおそうと思っている人も多いでしょう。
しかし、再建不可物件だった場合、空き家が老朽化しても建てなおすことはできません。
再建不可物件とは、都市計画エリアのなかにあり、敷地が道路に接している部分が2メートルに満たない物件のこと。
その家に住み続けるつもりなら、再建不可物件でも住むことはできますが、築年数が古い場合は、想定外の建てなおしが発生しかねません。
そのため、再建不可物件であることに納得したうえで、譲り受けるようにしましょう。
建ぺい率や容積率など、建築基準法やそれに準ずる条例に違反していないかも大切な確認事項です。
最初から違法建築である場合もあれば、増築を繰り返した結果、途中から違法状態になっていることもあります。
空き家の所有者に、過去の増築過程を聞き、検査済証を見せてもらいましょう。現時点では違法であるものの、建築時点の法律では適合していたケースもあります。
ひと昔前までは、検査済証の発行自体が稀だったため、書類が見当たらない場合は、指定確認検査機関を通じて調査できるようになっています。
空き家物件を譲り受ける場合、完全に無料で済むわけではなく、贈与税や固定資産税等の支払いが発生します。
それに加えて、老朽化した箇所の修繕等を要することもあります。
そのため、気になる点はしっかり確認したうえで、納得できる費用内で譲り受けるようにしましょう。
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